“人々のことを広く深く思いやる、すぐれた人格者の行いは、
長い年月をかけて見定めて、はじめてそれと知られるもの。
名誉も報酬も求めない、まことに奥ゆかしいその行いは、
いつか必ず、見るもたしかなあかしを、地上にしるし、
のちの世の人びとにあまねく恵みをほどこすもの。”
L'homme qui plantait des arbres by Jean Giono
木を植えた男/著 ジャン・ジオノ より抜粋
ラルチザン パフュームによる
「木を植えた男」の絵本はそんな言葉で始まります―。
それは
自然も、人々の心も荒れ果ててしまった地に、
木を植え続けた1人の男の話。
さあ、香りとともに
さっそく皆で読み進めましょう。
今夜は、1ページずつ順番に朗読します。
声に出して読むことは、体全体で、
それぞれの言葉の優しさや性格を感じ取ること。
“風が種をまきちらし、水がふたたび湧き出すと、
柳は芽をふきかえし、
小さな牧場や菜園や花畑が次々に生まれて
生きる喜びがよみがえった―。
.......古くからある源の水が、森のたくみな調節によって
雨や雪解け水をほどよく加え、とうとうとしたながれとなった。
人々はそれをせき止め、水路をつくった。農家では、
カエデ林の中に水場をつくり、そこからあふれる新鮮な水を、
田やハッカ畑に送り込む―。”
「木を植えた男」より抜粋
荒廃した土地に生命が再び宿り、
そこには金切声のような風の音や人々のいがみ合いの姿はない。
あるのは風の音や水のせせらぎ。
そしてそのそばでくつろぐ人々の笑声。
「環境が、美や気品、真心を生み出し、
喜びこそが本当の喜びを生み出すことができるんですね。」
つまりそれは、
私たちは営みの一部であり、
命は絶えず循環しているということ。
「家族を失った男が、どうして木を植え始めたのだろう。」
「人は自然の循環の一部となることで、生きる喜びを知るのでは。
自分ひとりでは生きられないから、輪(環)の中に生きようとする。
それが彼の、木を植え、命を育てるという行為だったのでしょうか。」
戦争。苗の全滅。
争いをしようとすれば、争いが起こる。
全滅に絶望し、あきらめれば
それ以上何も生まれない。
「全ては、そう、信じる力。想像/創造の力。
つまりイマジネーションが世界をつくる。」
そしてそれは、不屈の精神。
周りがどう思うかではない。
自らを信じ、
黙々と、
謙虚にひたむきであること。
物語が進み、
ページが鮮やかに、そして緑や花が溢れだすにつれ
花や緑の香りが、絵本から香り始めました。
大人の読書会。
それは5感を使って感じる読書のこと。
「1ページ、1ページ、似合う香りがあります。
そしてその香りがよりイメージを膨らませてくれますね。
香りとは
大勢の中の“あなた”という100ページの中の1ページ、
また人生という一冊の本の中の1ページ、つまりその1日を
表現し、描き出してくれるものなんです。」
“....ときに、
むなしさを感じたこともあったことを、私は知らなかった。
どんな大成功の陰にも、逆境にうちかつ苦労があり、
どんなに激しい情熱をかたむけようと、勝利を確実にするためには、
ときに、絶望とたたかわなくてはならぬことを。”
「木を植えた男」より抜粋
春の新緑の青さは、厳しい冬に耐えてこそ鮮やかで、
秋の紅葉は、灼熱の太陽に耐えてこそ燃える赤になる。
美しいもの、喜び、あたりまえの幸せ。
その後ろには必ず
誰かの絶え間ない努力と献身的な行いがある。
それをつい忘れそうになるのも私たち人間。
だからこそ、そこに思いをやる。
つまり、想像してみること。
この後ろには誰の存在があるのだろう、
何があるだろう、と。
「想像の力の大切さ」
それはラルチザン パフュームが
香水を通して伝えたいメッセージ。
子供のころ、「読解力をつけなさい」、
そんな風に学校で言われたのは、
それはきっと
もっとその後ろを想像してみなさい、
誰かの気持ちや行いを察する
そんな心を養いなさい。
そんな意味だったのかと、
ラルチザン パフュームの
Reading club~大人のための読書会 ~は
教えてくれた気がします。